🐾10 犬の問題行動はアプリで減らせる?2025年の最新研究をわかりやすく解説
1. 解説
2025年に英国・リンカーン大学を中心に行われた最新研究では、子犬向け教育アプリ「Zigzag(ジグザグ)」の使用が、 子犬の問題行動の重症度を下げる可能性が示されました。
特に効果が示されたのは以下の行動です:
- トイレの失敗(ハウストレーニング)
- 家族への攻撃行動
- 噛みつき(遊び噛み)
- 吠え
- 逃走行動
- 音への恐怖(雷・工事音・花火など)
21項目のうち19項目で「改善方向」が示され、悪化を示した行動はゼロ。
これは教育アプリが犬の行動に良い影響を与える可能性を初めて科学的に検証した査読付き研究という点で非常に価値があります。
2. 研究の実施国・大学・掲載雑誌
- 大学:University of Lincoln(英国リンカーン大学)
- 研究チーム:Animal Behaviour, Cognition and Welfare Research Group
- 共同研究機関:Zigzag Petcare Services Ltd., Dogtalk(英国)
- 科学雑誌:MDPI「Animals」(査読付き・オープンアクセス)
- 論文題名:Educational Apps and Dog Behavioural Problem Prevention(2025)
データや解析コードはOSFで公開されており、透明性の高い信頼できる研究です。
3. 実験の概要
研究は2022〜2024年に行われ、アプリ「Zigzag」を使用した1,700名以上の子犬の飼い主のデータから、条件を絞った367名を解析しました。
飼い主たちは以下をオンラインで回答しました:
- アプリをどれくらい利用したか(進捗率)
- 21項目の問題行動の重症度
解析では「アプリのどれくらいレッスンを進めたか」と「問題行動の重さ」を関連づけ、統計的に評価しました。
例えると…
「アプリのレッスンを進めるほど、子犬が困った行動をしにくくなる」という傾向を確かめたイメージです。
4. 結果と結論
アプリの進行度が高いほど、次の行動の重症度が下がるという結果が得られました。
- 家族への攻撃行動
- トイレの失敗
- 噛みつき
- 吠え
- 逃走行動
- 音への恐怖
さらに興味深いのは:
- アプリの完了率が上がるほど、「問題なし」カテゴリーの確率が上昇
- 悪化した行動は一つも存在しなかった
- 特に逃走・トイレ・噛みつきは効果が強い傾向
一方で…
- 攻撃行動など発生率の低い行動は「改善傾向はあるが不確実」
- 行動の幅や個体差が大きく、精密な予測が難しい
総合すると: 「アプリをしっかり使っている飼い主ほど、子犬の問題行動が少ない」という関連が確認されました。
5. わかりやすく言うと?
アプリは“子犬の教科書+生活アドバイス+社会化トレーニング”がまとまっていて、
飼い主が理解しやすい形で行動学の知識を提供してくれます。
その結果として:
「正しいしつけが早く・無理なく始められる」→「問題行動が起きにくい」
6. 他の研究との比較と懸念点
- 従来研究:早期社会化クラスやポジティブトレーニングは問題行動を減らすとされる
- 今回の研究:その延長として、“アプリという新しい教育手段が有効かもしれない”ことを示した
懸念点
- 観察研究のため「因果関係」は証明できない
- アプリを使う人はもともと意識が高い可能性
- 攻撃行動は発生率が低く、データが少ないため不確実性が大きい
- アプリをどれだけ“実際に実践したか”は測定できていない
とはいえ、21行動すべてで「悪化の証拠はゼロ」であり、教育アプリのポテンシャルを示す重要な研究と言えます。
7. 飼い主が得られる気づき
- 子犬期の社会化・学習は「その後の一生」に影響する
- 飼い主の知識不足は問題行動の大きな原因になる
- 早めに正しい方法を知ることで、多くの問題行動は予防できる
- アプリが「最初の相談先」として機能する可能性がある
- 問題行動の重症化を防げれば、罰や強制などの“嫌悪刺激トレーニング”に頼らずに済む
8. おすすめ商品
- 子犬向け社会化サウンドアプリ・音慣れツール(雷・花火の慣れに)
- 知育トイ・ノーズワークマット(噛みつき・退屈予防)
- 犬用クレート・ソフトケージ(安心する場所づくり)
- トレーニング用ご褒美フード(ポジティブ強化)
- ハーネス&ロングリード(逃走防止・安全な探検)
9. 参考文献
Educational Apps and Dog Behavioural Problem Prevention: Associations Between the Zigzag Dog-Training App and Behavioural Problems
Animals 2025, 15(4), 520; https://doi.org/10.3390/ani15040520
※この記事は原著論文の要約です。健康や食事の変更は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

