🐾14 アメリカの動物里親制度とは？日本との違い・迎え方・費用を徹底解説【ボストン在住体験談】
アメリカで暮らしていると、犬や猫と一緒に生活している家庭の多さに驚かされます。また、日本とは対照的に、街中で野良犬や野良猫をほとんど見かけません。私が現在住んでいるボストンでは、特に猫に関しては一度も野良猫に出会ったことがないほどです。
その背景には、アメリカ特有の動物の里親制度（Adoption System）の発達があります。寄付文化とボランティア文化が強く、“買う”より“迎える”という価値観が社会に根付いているのです。
この記事では、アメリカの里親制度の仕組み、日本との違い、実際に里親になる流れ、費用、そして私がボストンで感じた体験談を踏まえて詳しく解説します。
アメリカの動物里親制度はなぜ発達しているのか？
街に野良犬・野良猫が少ない理由
アメリカでは、動物保護団体や自治体が徹底した TNR（捕獲・避妊去勢・戻し）活動を行っており、野良動物を減らす取り組みが長年続けられています。また、捨て犬・猫はすぐにAnimal Shelter（保護施設）に収容される仕組みが整っているため、街に野良犬・猫が増えにくいのです。ただし、ボストンでは、街の至る所でリスやウサギを見かけます笑。
アメリカに住んで驚いたペット文化
私自身、ボストンで生活する中で、以下の点にとても驚きました。
- ペットを家族として迎える文化が強い
- ペットを“買う”のではなく“保護する”ことが一般的
- 動物福祉への理解が深い
- ボランティア参加が生活に浸透している
寄付文化とボランティアの強さ
アメリカの里親制度を支えているのは、寄付とボランティアです。施設運営費、医療費、餌代、Foster（預かり家庭）のサポートなどが寄付によってまかなわれています。
アメリカの里親制度の仕組み（Shelter と Rescue）
Animal Shelter（公営施設）
市や州が運営する保護施設で、迷子・放棄動物・虐待救出などを受け入れます。目的は「できる限り早く新しい家族を見つけること」です。
Rescue Organization（民間保護団体）
非営利団体が運営し、Foster（預かり家庭）がケアします。医療ケアや社会化が手厚く、里親審査はやや厳しめです。一例として、私が感銘を受けたRescue Organization(Broken Tail Rescue)を紹介します。
Foster（一時預かり）制度がすごい
アメリカでは、一度ペットを飼ってみたい人がまずFoster（一時預かり）として数週間〜数ヶ月預かり、飼育体験をしながら判断できます。費用は多くの場合、団体が負担します。
里親になるまでの流れと必要な手続き
- 保護団体のウェブサイトで動物を検索
- 申込フォームの提出
- 面談（オンライン or 対面）
- Home Visit（家庭訪問）
- トライアル期間
- 正式譲渡契約
審査は「一生責任を持てるかどうか」が最も重視され、ミスマッチを防ぐ仕組みが徹底されています。
アメリカで里親になる費用と支援
アダプションフィー（譲渡費用）
犬：200〜500ドル
猫：75〜200ドル
費用には避妊去勢、ワクチン、マイクロチップ、駆虫、初期検診が含まれています。
Foster期間中のサポート
- 餌代
- 医療費
- ケージやトイレ用品
- 行動相談
アメリカと日本の里親制度の違い
| 項目 | アメリカ | 日本 |
|---|---|---|
| 野良動物 | 非常に少ない | 地域差あり |
| 保護団体 | 大規模・組織的 | 小規模が多い |
| 寄付文化 | 強く定着 | 広がりつつある |
| 譲渡審査 | 厳しい | 差が大きい |
| Foster制度 | 深く定着 | 一部のみ |
アメリカの里親制度から学べること（体験談）
ボストンで暮らして感じたのは、里親制度が非常に組織化され、ボランティアの枠組みがしっかり整っていることです。Foster として一時的に預かりながら飼育体験ができ、餌代や医療費のサポートもあり、初心者でも安心して関われます。
寄付文化の強さも印象的で、地域コミュニティが協力して動物を守っている仕組みは、日本でも取り入れられる点が多いと感じています。
まとめ：アメリカの里親制度は社会全体で支えられている
アメリカの里親制度は、保護団体、Foster、ボランティア、寄付、そして地域コミュニティが連携することで成り立っています。ボストンで生活しながら、その文化の豊かさと強さに深く感銘を受けました。
日本でも、今後ますます動物福祉への関心が高まり、里親制度が広く浸透していくことを願っています。
