🐾6 犬の「お腹の中」がつくる心と体― 腸内細菌が支える“こころの健康”とは ―
💡 犬の腸は“心の鏡”かもしれません
犬の腸の中には、数えきれないほどの小さな細菌たちが暮らしています。
この“腸内フローラ”は、ただ食べ物を消化するだけでなく、
実は免疫・代謝・皮膚・そしてメンタル(気持ちの安定)にも深く関わっていることが分かってきました。
腸の環境が整っていると、体の調子だけでなく、
犬の気持ちまで穏やかに保たれる――そんな研究結果が世界中で報告されています。
🏫 研究の信頼性
この研究は、韓国のダンコク大学(Dankook University)を中心に、
忠北大学・忠南大学・タイのチュラロンコン大学が協力して行った国際共同研究です。
論文は、動物科学分野の国際誌「Journal of Animal Science and Biotechnology(2025年)」に掲載されました。
信頼性の高い科学誌に採択された、最新の腸内細菌研究です。
🔬 どんな研究だったの?
研究チームは、これまで発表された多数の腸内細菌に関する論文を詳しく調べ、
犬の腸内にいる主な菌と、その働きを整理しました。
特に注目されたのは、次のような菌たちです:
- Firmicutes(フィルミクテス):栄養吸収と代謝に関わる菌
- Bacteroidetes(バクテロイデス):消化と免疫を助ける菌
- Actinobacteria(アクチノバクテリア):善玉菌の代表格
これらの菌がバランスよく存在することで、犬の腸は健やかに保たれます。
📊 研究でわかったこと
- 健康な犬ほど、Firmicutes と Bacteroidetes のバランスが整っていました。
- このバランスが崩れると、肥満・糖尿病・皮膚トラブル・行動の変化(不安や攻撃性など)が起こる可能性があると示されました。
- 年齢・食事内容・抗生物質の使用・ストレスなどが、腸内の状態を大きく左右します。
🧬 わかりやすく言うと
犬の腸内細菌たちは、まるで“体の中で暮らす小さなチーム”。
ごはんの内容やストレス、環境の変化などでチームワークが乱れると、
- お腹がゆるくなる
- 落ち着きがなくなる
- 皮膚や毛並みの調子が悪くなる
といった変化が現れることがあります。
つまり、腸を整えることは、体と心の両方をケアすることでもあるのです。
🌿 飼い主さんへのヒント
愛犬の行動が「性格の問題」と感じられても、
その背景に“腸の不調”が隠れているかもしれません。
たとえば:
- 食事を急に変えた
- 最近ストレスが多い
- 抗生物質を使った
こんなときは、腸内バランスが乱れやすくなります。
心のケアを考えるときに、“お腹のケア”も一緒に見直してみましょう。
🩺 獣医師に相談したほうがいいサイン
- 下痢や軟便が長く続く
- 食欲が落ちた
- 皮膚や毛の調子が悪い
- 最近、怖がり・攻撃的な行動が増えた
こうしたときは、行動面と腸内の両方を視野に入れて、かかりつけの獣医師に相談してみてください。
🛒 腸を整えるためのサポート
日常ケアで腸のバランスを支えるアイテムもあります。
・プロバイオティクス(乳酸菌):善玉菌を補って腸を整える
例:Lactobacillus、Bifidobacteriumなど
・プレバイオティクス(食物繊維):善玉菌のエサとなる成分
例:イヌリン、オリゴ糖、ポテトファイバー
・腸ケア・ストレスケアフード:腸と気分を同時にサポート
選ぶ際は、必ずかかりつけの獣医師に相談し、愛犬の体質や年齢に合ったものを選びましょう。
✨ まとめ
犬の腸は「第2の脳」と呼ばれるほど、心と深くつながっています。
腸内のバランスを整えることは、愛犬の穏やかな毎日を守る第一歩。
小さな腸内の世界を整えることが、
あなたの愛犬の「心の安らぎ」にもつながるのかもしれません🍀
📚 参考文献:
Kim H. et al. (2025). Understanding the diversity and roles of the canine gut microbiome.
Journal of Animal Science and Biotechnology, 16:95.
https://doi.org/10.1186/s40104-025-01235-4
※この記事は原著論文の要約です。診断や治療の判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

