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🐾13 動物言語学の未来をひらく — 鈴木俊貴先生の研究が示す「鳥の言葉」とペットとの新しい関係

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今日ご紹介する研究者 ― NHK『ダーウィンが来た!』にも登場した鈴木俊貴先生

今日は、NHK『ダーウィンが来た!』にも出演されたことのある、動物言語学の注目すべき研究者・鈴木俊貴先生をご紹介します。 鈴木先生は、シジュウカラの鳴き声を精密に分析し、その鳴き声に「文法的な構造」が含まれていることを世界で初めて実験的に示した研究で広く知られています。

この発見は、私たちの身近にいる犬や猫がどのように“ことば”を使っているのかを想像させ、未来には ペットとより深く“会話”できる日が来るのではないかという期待を抱かせます。 本記事では鈴木先生の研究とその意義を分かりやすくまとめ、飼い主として何を学べるかをお伝えします。

はじめに:動物の“声”は言語になりうるのか

近年、「動物はただ鳴く」だけではなく、意味をもつ“ことば”を持っているという説が、科学界から強く注目されています。 その先駆者のひとりが、東京大学先端科学技術研究センターで 動物言語学 を提唱・実践している 鈴木俊貴 准教授です。 鈴木俊貴 研究室(公式).

彼は長年、野鳥(とくにシジュウカラ)の鳴き声を丹念にフィールド観察し、実験と理論を通じて「鳥の鳴き声に文法構造がある」可能性を実験的に検証してきました。 本研究のメディア紹介や解説は WIRED Japan などでも取り上げられています。

この研究は、私たち人間とペット(とくに鳥、あるいは音声でコミュニケーションをとる動物)との関係性を再考させる、大きな転機となるものです。

鈴木俊貴先生とは?そのバックグラウンドとビジョン

  • 所属・役職:東京大学先端科学技術研究センター 准教授、動物言語学研究室。
  • 研究対象:主にシジュウカラ科の野鳥。鳴き声・行動観察・実験を通じて、「音声(鳴き声)が意味を持つ構造を持つか」を解明。
  • 学問としての挑戦:従来の動物行動学にとどまらず 認知科学・言語学 の枠組みを取り入れた新しい学問分野「動物言語学」を提唱。
  • 著作と普及:2025年に著書『僕には鳥の言葉がわかる』を出版。多くの人に動物の“ことば”を伝える伝道者としても活動中。
  • 受賞・評価:WIRED Innovation Award なども受賞。

鈴木先生の主な研究成果とその意義

1. シジュウカラの鳴き声に「文法」があるという実験結果

鈴木先生は、シジュウカラの鳴き声を人工合成し、その語順(パターン)を変えて鳥たちに聞かせる実験を行いました。正しい順序の鳴き声では鳥が反応し、順序を変えたときには反応が異なるなど、「語順(シンタックス)」を理解している可能性を示唆しています。

これは従来、「動物には文法は無い」とされていた常識を覆す重要な知見です。

2. 意味のある“単語”的要素(語彙性)

研究では、ある警報鳴き声が「ヘビがいる」「猛禽類が近い」など、異なる意味をもつ複数の鳴き声に対応していることがわかっています。つまり、鳥たちは単に感情を表現しているだけではなく、具体的な“情報”をやり取りしている可能性があるのです。

3. ジェスチャーによるコミュニケーション

口・脚・翼などを使った「しぐさ(ジェスチャー)」でも、意味伝達があるという発見があります。たとえば、メスが翼をパタパタさせることでオスに「どうぞ先に来て」と促すなど、人間の礼儀に似た行動も観察されているという報告があります。これにより、鳴き声だけではなく身体動作も「言語」の一部として機能している可能性が高まります。

4. 学問としての確立と国際的反響

鈴木先生は 2023年ごろから正式に「動物言語学」を学問分野として定義し、国際学会で提唱しました。彼の研究スタイル(フィールドワーク+実験+理論)は、国内外の言語学・認知科学の研究者から注目を集め、動物と人間の言語・知性の境界に新たなパラダイムをもたらしています。

ペットとの関係にどう生かせるか

🐦 鳥を飼っている人にとって

飼い鳥が発する鳴き声には、意味や文法構造がある可能性があるという視点は、これまでとは異なる“話しかけ方”や観察の楽しみを生みます。 ただの「さえずり」「鳴き声」と捉えるのではなく、コミュニケーションの一部として捉えることで、鳥との関係性がより深くなる可能性があります。

🐶 犬・猫など他のペットとの共通点

鈴木先生のアプローチは「言語=単なる声ではなく、意味を持つ構造がある」点にあります。この考え方は、他の動物(たとえば犬や猫)の声・ボディランゲージを理解するヒントになるかもしれません。 将来的には、動物同士や人間との“ことばに近いコミュニケーション”を研究するモデルとして、犬・猫分野の行動学にも影響を与える可能性があります。

おわりに:動物との“新しい対話”に向けて

鈴木俊貴准教授の動物言語学研究は、単に学術的な成果にとどまらず、私たちのペットや身近な動物との接し方そのものを変える可能性を秘めています。 「動物の鳴き声は、ただの鳴き声以上の意味を持つ」と理解することは、ペットとの対話を豊かにし、互いの絆をより深める第一歩です。

MindfulPetLabでは、今後も動物の知性・感情・コミュニケーションに関する信頼性の高い研究を紹介し、飼い主の皆さんがペットとより豊かな関係を築く手助けをしていきます。

参考文献・リンク

※ 本記事は鈴木俊貴准教授の研究および公的・報道資料を基に作成しました。研究の詳細は各リンク先(研究業績・論文等)をご参照ください。

ABOUT ME
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ブロガー/獣医師・博士(獣医学)/DVM Ph.D.
心でつながるペットケア、やさしい科学をモットーに、最新の研究情報について発信している。
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