かぼちゃとズッキーニの茎に潜む虫!スクワッシュ・バイン・ボーラー襲来🎃🐛
2026年7月25日。
Bostonの無農薬Farmでは、
ウリハムシとの戦いがひと段落したと思ったら、
今度は別の厄介者が姿を見せ始めました。
その名も……
スクワッシュ・バイン・ボーラー(Squash Vine Borer)。
日本のスカシバガの仲間ですが、日本にはいない種です。
北アメリカでは、ズッキーニやカボチャを育てる人なら一度は悩まされると言われる害虫です。
成虫はこんな感じ↓

真っ赤なお腹に、黒い羽。
スカシバガはよくハチに間違えられますが、蛾の仲間です。
もちろん人を刺すことはありません😊
この虫、実は葉を食べるのではありません。
茎に産みつけられた卵から孵った幼虫が
茎の中に潜り込み、茎の中を食い荒らしてしまうのです😳
外からは見えない場所で食害が進むため、
気付いたときには株全体がしおれてしまうこともあります。
大きく育ったかぼちゃを調査🎃
今回キュウリの畝(ウリハムシ+ウッドチャック問題)の次に向かったのは、
かぼちゃの畝です。
前回来たときよりも、
ツルはさらに長く伸び、
葉も手のひらどころではない大きさになっていました。

ぱっと見ただけなら、
とても元気そうです😊
でも今回見るのは葉ではありません。
茎です。
一本一本、
傷や穴がないか確認していきます。
スクワッシュ・バイン・ボーラーは、
茎の中で生活するため、
葉を見ていてもか見つかりません。
そのため、
茎を一本ずつ観察するという、
少し地味な作業から始まります😂
しばらく見ていると、
気になる株がいくつか見つかりました。
茎の表面に、
黄色いおがくずのようなものが付いています。

さらに、
小さな穴も開いています。
「これは・・・!」
去年も見た光景です。
スクワッシュ・バイン・ボーラーの幼虫は、
茎の中を食べ進みながら育ちます。
そして当然糞をしますが、その糞や食べかすを穴から外に押し出します。
そのため、
緑~黄色っぽい粒やおがくずのようなものが付いているのは、中に幼虫がいるサインです。
(カミキリムシを見つけるときとよくにています)
ということで……
中を調べてみることにしました🔎
茎を開けてみると……🐛
ズッキーニやかぼちゃの葉の茎(葉柄)は中が空洞になっており、
葉柄へ侵入した幼虫は、葉柄の壁を食べながら成長していきます。
幼虫が排泄した直後の糞は茎と同じ緑色でべちょっとしていますが、
乾燥すると黄色いポロポロになります。
なので幼虫がいる部分は、壁が薄くなっていたり、
光に透かしてみると糞で黄色っぽく見えたり、
穴から押し出され乾燥した黄色いポロポロ糞が付着していたりします。
↓こんなふうに

そういった葉柄を縦に割ってみると、、、
↓幼虫がいました。葉柄の壁を齧ったあとに溝ができています。

黒い部分が幼虫の頭。これは1cm強くらいのサイズのこです。
他の葉柄でも見つかりました↓1cmほどの小さい子です。

一方、茎(本幹)は空洞ではなく、本来なら中身がぎっしり詰まっています。
幼虫が入り込むと、食べながら通った後にはトンネルができます。
(これまたカミキリと同じ感じですね)
↓こんなふうに。茎本幹に穴があいて、黄色のポロポロ糞が見られます。

去年までは、幼虫が大きくなってくると(おそらく植物の炎症反応で)茎本幹が膨らんでくるのをみて把握していました。膨らんだ部分をナイフで少しずつ削りながら調べて幼虫を除いていたそうです。
(糞には気づいていなかったそう)
ただ、その方法はどうしても植物へのダメージが大きくなってしまいます。
せっかく助けようとしているのに、
こちらが大きな傷を付けてしまうのは少し気が引けます😂
そこで私達は、針金で幼虫を引きずり出すことにしました😊
これが意外とうまく行きます。
幼虫が通った後にはトンネルができていますので、
穴から針金を差し込むと、スッと奥まで入ります😳
とはいえトンネルは一本道ではなく食い散らかされているので、
針金を少し変形させて進んだ道を探しつつ奥へ奥へ・・・・
すると……
いました!
針金の先に刺さった幼虫が引っ張り出されました。
↓黒い部分が頭。
葉柄にいたものより育っており、うじ虫のような姿へ成長しています😳
(勢い余って針金で体を引きちぎってしまったようです。😅)

サイズは2cmくらい。
茎本幹にいる幼虫はだいたいこんなふうに大きく成長しています。
3cmくらいまで成長します。
1株に、複数虫体いることも多々あります。
針金では難しいかな~と思っていましたが、
穴から差し込む方法でほぼほぼ9割くらいの確率で、幼虫を回収できました!
針金が幼虫を突き刺していたり、針金にくっついていたり、
嫌がって少しでてきたところをそのまま引き摺り出したり、、、、
予想以上にうまくいきました。
(←※ 根気は必要です!)
もちろん虫体の一部が茎の中に残ってしまうこともありますが、野菜は問題なく育って行くので良しとします👍
しかし、こんなに大きい幼虫に茎を食い荒らされて穴だらけにされながらも、
元気な育っていく、ズッキーニやかぼちゃたちの生命力に驚かされます。。
一方、葉柄(葉の茎)の壁にいる幼虫はそこまで大きくはありません。
だいたい1cm強くらいのサイズまでです。

始めから本幹で育つ幼虫もいるようですが、
葉柄で育つ幼虫は、薄い壁をかじって育ち、ある程度大きくなると
中の空洞を進み、葉柄の付け根まで移動して、茎本幹に移動するようです。
葉柄の付け根の部分から、茎本幹へ向かう穴が空いているのですぐわかります。
今回かぼちゃの畝では、
調べた株のおよそ1〜2割で幼虫が見つかりました。
去年は、幼虫が茎本幹で育ってしまってから、茎を大きく切り開いて探していました。
今年はこの見つけ方と針金による回収のおかげで、
幼虫が小さいうちに回収でき、かつ、必要最小限の傷で済みそうです。
ズッキーニはさらに深刻だった🥒
かぼちゃの畝を一通り調べ終えたあと、
少し離れたズッキーニの畝へ向かいました。
すると……
「あれ?」
茎のあちこちに、
黄色っぽいおがくずのようなものが付いているのがカボチャ以上に目に付きます。

↑カボチャよりも大量の黄色いポロポロ糞が。

嫌な予感です😂
かぼちゃと同じく、一本ずつ確認していくことにしました。
早速針金を穴へ差し込むと、、
いました、いました😳
こちらの株にも幼虫です。

一本見つかると、
次の株でも。

その次の株でも。
気が付くと、
調べる株、調べる株から幼虫が出てきます😂
そしてかぼちゃにいた幼虫よりも大きいものも目につく一方、
4mm程度の小さなものもみつかりました。
最終的に、
7〜8割ほどの株で幼虫を確認しました。
かぼちゃでは1〜2割程度だったので、
これはかなり大きな差です。
ズッキーニはウッドチャック被害もあり育っていないものの、
カボチャより先に植えていたそうです。
なので、カボチャよりも大きな幼虫がいてもおかしくないですが、
この頻度の差と、さらに小さな幼虫までいることを考えると、
「ズッキーニの方が好きなんだね。」
他のスタッフともそんな話になりました。
バイン・ボーラーの卵も見つかりました。

↑この赤茶色の小さな卵がバインボーラーのものです。
卵は小さい上、まとめてではなく一個一個バラバラに産み付けるので
対策がなかなかむつかしいです。
卵を産み付けられる前に成虫をなんとかしたいと思い、
Farmにいるときは目を光らせていたのですが、今年は成虫を一度も見かけませんでした。
この仲間は基本的に昼間に活動するはずなのですが・・
ということで、非常に面倒ですが、今のところバインボーラーへの対策は
卵と幼虫を探して、一個一個の対処するほかなさそうです。
一本一本探して、一個一個取り除く。
とても地味ですが、無農薬Farmでは大切な仕事です🌱
来年に向けた予防策🌱
実は去年初めてスクワッシュ・バイン・ボーラーを知り、
なんとか対策できないかと考えていました。
対策するにはまず敵を知ることです。笑
スクワッシュ・バイン・ボーラーは前述の通り、スカシバガの仲間です。この仲間は、透けた翅=「スカシバ」、鱗粉が少なく透明な膜のような翅を持っているので蜂っぽく見えやすいのです。
(ついでに奥さんの好きなオオスカシバは、スカシバガ科ではなくスズメガ科です。長いストローを持ちホバリングしながら花蜜を吸う姿が有名ですが、
スカシバガは長いストローは持たず、花にとまって蜜を吸うそうです。)
バインボーラーは蛹の姿で、土の中で越冬し、暖かくなると羽化して土の中から出てきます。
土から出てきた成虫は日中に花蜜を吸い、交尾をして、
茎の太いウリ科(squash)の茎、葉柄、葉の裏に150〜200個の茶色い卵を一つずつ産みつけます。
キュウリ🥒やメロン🍈など、茎が細いものは好まず、茎の太いズッキーニやカボチャを好むようです。
10〜15日ほどで孵化し、幼虫はすぐ葉柄や茎に潜り込み内部を食べて育ちます。(←今ここ)
4〜6週間ほどで2.5cmほどになると、穴を開けて外に出て、土に潜り5cmくらいの深さで繭をつくりその中で蛹になります。
そして翌年の6月に成虫となり姿を見せるようになります。
南部では一夏に数世代を繰り返す場合もあるようですが、北米では基本的に年1世代のようです。
(だんだん暖かくなってきているようなので、今後変わるかもしれませんが。。。)
この生活史を知り、去年はまずできる対策として、
「収穫後、株を抜いて畑をリセットするときに土を掘り返す」、を考えました。
前述の通り、バイン・ボーラーの幼虫は、茎の中で十分に育つと外にでて地面へ落ち、
土の中で蛹になります。

↑去年、撮った蛹の写真です。
ズッキーニの株の周りをほったところ、5cmくらいの地中から出てきました。
収穫後の畑リセットの蛹の時期に20~25cmほど土を掘り返せば、蛹が地表へでて
鳥が食べてくれたり、冬の間に寒冷・乾燥でやられるだろうと考えました。
完全に防げるわけではありませんが、去年秋の終わりに実践して頂いたので、
今年の発生数は去年より少ないはず!と期待しています😊
二つ目は、
「連作を避けること」、です。
ズッキーニなどの匂いにつられて成虫はよってくるので、これこそ完全に防げるものではないと思いますが、
同じ場所へ毎年ズッキーニを植えると、前年その場所で育ったサナギがそのまま羽化して産卵してしまいそうです。
できれば植える場所を変えながら育てたいところです。
そして三つ目。
「品種の選択」です。
前述の通り、バイン・ボーラーは、同じウリ科植物でも好みがあります。
茎の太いズッキーニや西洋かぼちゃは好む一方で、
茎の細い(それだけが原因ではないと思いますが)東洋ガボチャでは
比較的被害が少ないという報告もあります。
つまり、植える品種を考慮するだけでも、被害を減らせるかもしれません😊
さらに、ウリハムシから学んだことですが、
苗を植える時期を少しずらして、成虫のピーク時期を避けられれば、
もっと効果があるかもしれません。
今年は苗の暑さで苗の育ちが悪かったことでかぼちゃも苗の定植が遅れました。
今年ワインボーラーの被害が少なく、かつ収穫量にも影響がなければ、
苗の定植時期を今後も遅らせることも考慮してよいかと考えています。
自然農法でこの虫と戦うということ🤔
この虫は本当に厄介です。
卵は1mmほど。
しかも一個ずつ産み付けられます。
そして幼虫は見えないところで育ちます。
だからこそ、無農薬ファームにおいては観察し、相手を知り、対策を探ることが何より大切になります。
虫の暮らしを知れば、少しだけ先回りできることもあります。
今回もまた、
スクワッシュ・バイン・ボーラーから、たくさんのことを教えてもらいました。🎃🔎
