Boston

ウリハムシ大量捕獲作戦!論文を参考に黄色いトラップを作ってみた🐞🥒

aki-to-akane

先週末はCape Codで自然観察を楽しんでいたので、

今週末は2週間ぶりのBostonの無農薬Farmでした😊🌱

2週間で、野菜たちはさらに大きく育っていました。

そして今回、新たに私たちへ託されたミッションは……

ウリハムシ対策です 🥒🐞

 

今回のターゲットはウリハムシ🐞

今回対策する ウリハムシ(Striped Cucumber Beetle)は、

”ウリ(の)葉”という名前の通り、

キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロンなど、

ウリ科の植物が大好きな5~7mmの小さな甲虫です。

日本では赤茶色や黒色+赤茶色でおなじみ?の彼らですが、

Bostonのウリハムシは黄色と黒のしましまでちょっとおしゃれです😂

 

今回Farmで被害が出始めていたのは、

キュウリ🥒

 

キュウリも時期をずらして2畝あり、

早植えの方は30cmくらいまで育ってきており

後植えのほうはまだ10cmくらいの苗を植えたところです。

  

まだ元気に育っているものの、葉のあちこちがかじられ始めていました。

 

このように葉脈の間をかじっています。

被害が拡大すると、葉は網目状にしか残らないくらいボロボロに食い荒らされ、

毎年このFarmの厄介者として目をつけられています。

 

彼らはテントウムシなどと同じように成虫で越冬し、気温が上がってくると

活動を始めます。マサチューセッツ週では通常5月下旬~6月に現れ始めるそうです。

今年はFarmでウリ科植物を植えるのが遅かったそうですが、苗を植えた瞬間の6月下旬に姿を見せ始めたとのことでした。

 

この時期の成虫はウリ科植物を見つけて、若い苗の葉、茎、花を食べ、

交尾し、株元(茎の根元にちかい土の中や土の表面)に産卵します。 

卵からでた幼虫は土の中に潜り、ウリ科植物の根を食べながら成長し、

2-4週間で蛹となり、1~2ヶ月で成虫となり、8月上旬~中旬頃に土の中からでてきます

新成虫は葉、花粉、花、果実を食べ散らかしたあと、9月下旬頃に越冬準備に入ります。

 

この時期、越冬成虫が若い苗の葉、茎を食べて苗を弱らすことも問題ですが、

この時期に産卵されてしまうと、幼虫が根を食べ、

せっかく育ってきた苗を弱らせてしまうというのが大問題です。

そして株元に産み付けられた卵や小さな幼虫への対策はほぼ不可能と言われています。

 

しかもウリハムシは葉・花・茎・根を食べるだけではありません。

細菌性萎凋病(Bacterial Wilt)という病気を媒介することでも知られています。

一部のウリハムシは体内に病原菌を保持しており、葉や茎をかじったあとにその糞が付着すると傷口から細菌が入り、導管内で増殖し、導管をつまらせ、

苗を枯らしてしまいます。

当然、感染した植物を食べたウリハムシは病原体保持者となり、感染を広げます。

若い苗は特に感染に弱いらしく、この時期にしっかり守る必要があります。

 

つまり、ウリハムシは

産卵→幼虫が根っこをかじる→苗を弱らす+新成虫爆発的増加

若苗は細菌性萎凋病に弱い→苗を弱らす、Farmで細菌性萎凋病発生→病原体もち成虫の増加、病期の蔓延

という爆発的被害を起こしかねない恐ろしい厄介ものであり、

爆発的被害を予防するためにも、越冬成虫が産卵するこの時期に対策することが重要になります。

 

もちろん、このFarmはオーガニックで農薬は使いません。

これまでは成虫をみつけてはつぶすという徒手的対策のみがとられてきていました。

そこで今回は、

「できるだけたくさん成虫を捕まえて数を減らす、トラップ作戦」

を試すことにしました。

 


黄色い花が大好きな困った害虫🌼

去年、ウリハムシを観察していて、あることにすぐ気付きました。

黄色い花に集まっているのです。

もちろん葉にもいますが、集まっているのは花です。

花の奥に潜り込むように複数のウリハムシが体を寄せ合っているのです。

交尾をしていることもよくあります。

おそらく、黄色い花に集まることで交尾機会を増やす、ムシのストラテジーのなのでしょう。

花の中心に見える昆虫が、今回のターゲットであるウリハムシです。

この習性を利用してムシを捕まえる、

そんな発想から考えられたのが、今回のトラップです😊

 


論文を参考にトラップを作ってみる📖

今回参考にしたのは、

アメリカ、ミズーリ州のリンカーン大学で公開されている

ウリハムシ大量捕獲用トラップの研究です。

 

黄色い容器を使い、

さらにウリハムシ自身が出す集合フェロモンを利用して、

仲間を呼び寄せるという方法です。

 

とてもシンプルですが、ウリハムシの習性をうまく利用しており、

研究では高い捕獲効果が報告されています。

「これならFarmでも試せそう!」

ということで、

今回はこの方法を実践してみることにしました😊

 


黄色いボトルで「偽の花」を作る🟡

今回用意したのは、

黄色いプラスチックボトルです。

とりあえず、家庭にあったコーンスターチの黄色いボトルを採用。

ウリハムシから見ると、

まるで魅力的な、大きな黄色い花のようにも見えるでしょう(たぶん笑)🌼

 


穴の大きさにも理由がある🔍

ボトルには、ドリルで穴を開けました。

 

穴が小さすぎると、ウリハムシが入れません。

逆に大きすぎると、せっかく入っても逃げられてしまいます。

そこでリンカーン大学の研究を参考に、

今回は約6mm程度の穴を開けました。

 

最初はボトルの上下に穴を開け、

底には洗剤を少量入れた水を入れる予定でした。

しかし……

下側の穴から液体が漏れてしまいました😂 

そこで急きょ作戦変更。

下の穴はビニールテープで塞ぎ、(↓右のボトル)。

上部だけに2列の穴を開けることにしました (↓左のボトル)

実際に作ってみると、

上手くいかないこともありますね(笑)


最大のポイントは”おとり役”🐞

今回のトラップで、一番面白い工夫がこちらです。

 

生きたウリハムシを捕まえ、

ボトルの上部に入れておきます。

 

すると、

ウリハムシが出す集合フェロモンによって、

仲間が集まってくるそうです。

 

つまり、ウリハムシ自身に仲間を呼んでもらう作戦です😳

フェロモンに近い化学物質を利用する方法もあるそうですが、

この無農薬Farmでは化学物質は使いにくいのと、できるだけお金をかけない

ムシ対策をしたいので、成虫を捕まえる方法を採用しました。

 

自然界の習性を利用した、とても面白い方法ですね。

 


Farmに設置完了✨

完成したトラップは、キュウリの畝のすぐ横に設置しました。

手前の畝が早植えキュウリ、奥の畝が遅植えキュウリの畝で、

その横に2箇所ずつ計2か所。

高さは約50cmほど。

まだ苗は小さいですが、ちょうど育ってきたキュウリの

葉や花と同じくらいの高さになるよう吊るしました。

これで、

飛んできたウリハムシが自然と目に入るはずです。

 

来週はいよいよ結果発表?

果たしてこの黄色いトラップは本当に効果があるのでしょうか。

何匹くらい捕まるのか。

それとも、

まったく捕まらないのか。

実際に試してみなければ分かりません😊

 

現在、Farmのスタッフやボランティアの方に、

家庭にある黄色いボトルの提供を募っています。

うまくいきそうであればトラップの数を増やしたいなぁと思っています。 

 

来週トラップを確認するのが、今からとても楽しみです🐞🌱
 

ついでに、その他の無農薬対策として

・ネギと植える(ネギの匂いが嫌いらしい)

・キラキラ光るシートを敷く(キラキラ光るものが嫌いらしい)

があるそうです。これらも可能な範囲で取り入れていければと思っています。


「参考文献」

Veg Crops Hotline「DIY traps for striped cucumber beetle management」

Missouri Environment & Garden「A novel mass trapping system to control cucumber beetles in cucurbit crops」

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